「離職」—なぜその人は離職したのか。
何等かの理由があるから職場を離れるのである。そして大抵、本当の離職理由を口には出さない。(だから、人事部や退職面談担当者は注意してほしい。引き止め面談・退職面談で離職希望者が言っていることは本心ではないということを。雇用されている間に話すことなんかを鵜呑みにしていてはいつまでもたっても離職の原因は掴めない。本当の離職理由を知りたいのなら、そして それをヒントに自社の改善点を炙り出したいのなら、彼ら彼女らが転職して落ち着いた頃にアンケートを取った方がよっぽど実りある離職理由が分かる。)
ミスマッチはなぜ起こる?
理由は様々あるが、中でも「自己理解」と「企業理解」が不十分なことが挙げられる。
就職・転職でミスマッチの確率を下げるためにすべきことは大きく分類すると2つ。
それは単純で、先程記したミスマッチの原因2つを改善すること。つまり、「自分」と「企業」この2つの観点を納得いくま深く突き詰めるのである。①自分のことが分からなければどこへ行けばいいのか分からないし、②行くべき企業のことが分かっていなかったらたとえどこかへ入社できてもその後にミスマッチが起こる確率は高くなる。だから、自分のことも企業のことも調べて調べて考えて考えた上で、入る場所を決めよう。
自分
① 自分が価値を感じる考え方を知ろう
例えば、伝統や古くからの慣習・ルールを重んじる人達と一緒にいたいのか。反対に先進的・革新的なことを好み、変化やスピードを体現する人達と働きたいのか。自分はどういう「考え方」「物事の進め方・捉え方」「動き方」に価値を感じるのか、しっかり把握しておこう。そうしないと、入社した後の環境が自分の考え方と正反対であったり異なっていたりすると仕事をしていて辛く感じる。その職場で長く働いている人というのは会社の価値観・考え方に共感している人が大半であり、もし考え方が合わないと評価も実績も出ない。本当の自分を知り、自分の力を発揮できる環境・人を選ぼう。そのためにも、自己理解の段階で自らの思考の方向性を把握しておこう。
② 自分のなりたい姿を明確にする
その会社には、将来自分がなりたい姿になっている人がいるか? 人生の貴重な時間(の大半)を使って働く場所。関わる人達、企業文化で思考は洗脳され、知らず知らずの内に自身の考え方や行動の仕方に大きく影響を受ける(良い意味でも悪い意味でも洗脳。企業とは教会、ミッション・ビジョン・バリューは経典、社長は教祖、なんてね)。「あなたは周りの5人の平均」とはよく言われること。知らず知らずの内に、職場の先輩や上司に似てくる。だから、周りにどんな人がいるかはとても重要。自分がなりたい将来像を明確にして、既にそうなっている人達と一緒に働こう。
企業
① 会社が好む考え方を知っておこう
それぞれの会社にはカラーがあって、どういう考え方に価値を感じる会社なのかを見極めよう。すでに確立された仕組みや長年の歴史を有する大企業と、これから規模拡大していこうとするスタートアップやベンチャー企業とではまるきり風土やスピード感が違う。例えば、令和の時代にもかかわらず昭和の香り漂う会社では、これまでのやり方や手順、ルールを中々変えようとしないかもしれない。そしてそういう会社に残っていく人というのはそういうカルチャーや考え方に疑問を抱かず、それを良しとして守っていく人々。反対に、今あるルールやいわゆる「常識」を常に疑問視し、改善・工夫・変化させていこうとする人々は「昭和の大企業」よりは、モダンな考え方・革新・スピードに価値を置く企業に行った方が充実した気持ちで働ける。なぜなら、そういう企業にはそういう考え方を良しとする人達が集まり、残っていくから。だから、自己理解と企業理解の両方が大事。
② 業務内容をしっかり把握しよう
入社した後に何をするのかを把握しておくことは大事。なぜなら、自分に合ってない業務・価値を感じられない業務に取り組んでも結果は出にくい。せっかく自分の貴重な時間を使って働くのだから、自分が得意で結果がしっかり出せて、将来のなりたい姿に役立つ業務をしよう。
納得いく道を進むために—自分で探して自分で応募
就活・転職活動をしていると、エージェントからスカウトを貰ったり、企業を紹介してもらったりするでしょう。それらの企業に本当に共感して、入りたい・働きたいと思えればラッキー。だけども、エージェントは求職者の大学名や会社名、職歴、その他諸々の登録情報を見て合格できそうな企業をオススメしてくる。なぜなら、エージェントは求職者が企業に入社することで報酬を得るから。だから、受かりそうな人に受かりそうな企業を紹介してくる。エージェントの立場になってみて欲しい。色々商品(人材会社に登録されている求人)があって、その中から手数料(報酬)が高いものを売りたくないか? 希望業界とか希望職種とか、一応話は聞くけども、その人の希望と企業の欲している人材像とがマッチしていそうな転職先を紹介する。「ここなんか〇〇さんに合ってるんじゃないでしょうかね~」って。
でも、あなたが応募できる企業は紹介されたものだけじゃない。世の中にはあまたの企業があるのだから、いろんな手を使って、ツールを使って、自分で探して応募しよう。
まとめ
就職・転職でミスマッチを避けるために熟慮すべきことは大きく2つ。。
大きな2つとは、「自分」についてと「企業」について。
自分
① 考え方
自分はどんな考え方、仕事の進め方に共感するのか(大まかに:大企業型の慎重一発完璧派か、スタートアップ・ベンチャー型の失敗Welcomeイケイケどんどん派か。)
② 将来なりたい姿は何か
自分の夢や目標を既に達成している人、体現している人と一緒に働こう。そういう人達が沢山いる環境で働いたら、あなたも自然とそうなる。環境の影響をバカにしてはならない。人は周囲の環境でどうにでもなるのだから。
企業
① 会社が良しとする考え方は何か
それは、自分が良しとする考え方と合っているか。その会社に長く居続けられる人というのは、その会社が大切にする考え方と自己の考え方マッチしている人。もし、物事の考え方・捉え方という面で会社の価値観と自分の価値観が合わないと、業務中事あるごとにギャップを感じてしまい、仕事のアウトプットや人間関係に問題が出始める。
② 業務内容
入社したら担当する業務内容、1日の動き方、相手にする顧客…可能な限り全力で把握しよう。その業務で結果を出すということはどういうことか。そこに自分は歓びを感じられるか。部署で一番結果を出している人、長く在籍している人はどんな人か聞いてみよう。なんなら、自分で採用部署にお願いして、ご本人と話させていただけるとネット情報では得られない生の情報を得られるのでなお良い。
転職・就活をしているなら
①自分が価値を感じる考え方は何か、②将来はどんな人になりたいのか、まずはこの2つをクリアにしよう。
次に、③企業の考え方を把握し、⑷自分の夢と同じ規模の目標を既に達成している人達がいる環境へ行こう。
やることは4つ。今からでもペンとノートを取り出して(自分の手で文字を書くのがオススメ)、考え始めよう。
Thank you for reading!